嘉招 -kashou-

張り付く前髪から覗いた 渇望する死を写す瞳
窒息を強いた 其の視線

泉に浮かぶは淡い腕 波紋は澱んだ

手招いて居た指の危さに瞳を奪われ
盲目は冷酷な貴方の翳りを悟った

耐え切れず 意思は沈んだ

響く静かな微笑みに引き攣る唇
硬直は冷酷な貴方の翳りを悟った

枯れ落ちし土 脆さが惑わせて足元を掬い
渦巻きし森 斬る風が隙間縫い首に絡まり
砕け逝きし月 音断てず響き割れ身体を刻む
総ての欲望が貴方の破壊を呑んだ

遠のく意識に悦して居た
捻じ伏せられる鼓動で瞼を閉じ
私は終に 貴方を迎える