或る日の欠片
あの日の欠片が
まだポケットにあって
君のと合わせたら
元に戻る気がした

ぼんやりと眺めた
月のかたちが
どこか似ていて
手を伸ばしてみた

消えないように握りしめて
そっと開いたら壊れていた
欠片一つ無くしてないのに
もう戻らないことだけは
解ってる


都合よく忘れて
都合よく思い出すんだ
この街に残された
残像を振り切って

見えないように塞ぎこんで
ずっと抱えては離せずにいた
欠片一つ触れられずに
もう戻らないことだけを

消えないように刻み込んだ
いつか笑っていたあの日のこと
瘡蓋の中閉じ込めては
もう戻らないことだけは
解ってる