拈華微笑(ねんげみしょう)
口ずさむ口笛と 過ぎ去るは囃子の音
愛しむ思い出は 夢また夢
零れ行くその手から 集めるは時の砂
崩れ行く結い紐は 西の空に
滑り落ちる雫 池に混ざり 溶けゆく波紋
白日に舞う 雀の群れより 高く
山並みを降りて 空を翔る
桜の咲く季に彼生まれ
若葉の散る季に還りゆく
此処より永久に告ぐ 理は番いの音
望めぬ願いなど 夢また夢
測れど狂いゆく 不器用な物差しで
見つめる行く末は 雲の陰に
瞬くより早く 消えてしまう
目覚めの想いよ
恐れを知らずに生きたとて
終焉が来るのは何故か
妙なる月日を過ごすとて
夢から醒めるは明日のこと