きみが近くを流れた ぶれた映像は色彩だけが鮮やかに
ぼくたちはずっと眠ってはいなかった
聞こえなくなりそうな時は絵を描いて教えてくれた
きみの近くを流れた 途切れた音声も自分たちで繋げれば意味を知ることができた
順番を待つ人の列 見えなくなりそうな時は息も拾えるぐらい近くに
ぼくはきみの運動 動くぶんだけ声になって返ってくる
動く部分によって違う声が返ってくる
擦り切れるまで 早送りと巻き戻しで 聞いたことのない声を探す
ぼくときみの流動 伝うぶんだけ抵抗になって教えてくれる
抵抗の角度によってより多くが滴る
日が暮れるまで スロー再生 今まで触れていないところが分かるように
順番を忘れて 昨日のきみを並べられないんだ
昨日あったことが 今日はないんだ
持ち帰ってきたものなら いたるところにあるんだ
断片になって 昨日が今日に流れこんだら
見えない人はいないだろう 聞こえない人はいないだろう
こんなこと滅多にないから 走らせろ
出たそばから足元を流れていく そのどれもが
読めたぶんだけ 今 起きている本当のこと
ぼくはきみの運動 動くぶんだけ声になって返ってくる
動く部分によって違う声が返ってくる
擦り切れるまで 早送りと巻き戻しで 聞いたことのない声を探す
ぼくときみの流動 伝うぶんだけ抵抗になって教えてくれる
抵抗の角度によってより多くが滴る
日が暮れるまで スロー再生 今まで触れていないところが分かるように
見える人がいるのを知りながら見るのは 恥ずかしくなるだろう恐ろしくもなるだろう
聞こえる人がいるのを知りながら聞くから 男の子になるだろう女の子にもなるだろう
見える人だ 聞こえる人だ 忘れっぽい人だ 優しい人だ
見える人だ 聞こえる人だ 一晩の時間を計るように夢を見るきみは分かれたぼくだ