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環状線は何処へ向かって
際限なく日々を運ぶの
急旋回で僕は笑った
殺されそうなスピードで

名前の無いあなた
名前の無いビルディング
名前の無い電話の声

おそらくそれもコンピューター音声だろう

平行線に肌滑らしていく
雑踏で息絶えるあなた
無感動に僕を笑った
殺されそうな口許で

名前の無い独り
名前の無い都合の良い街に降る
名前の無い雨の部屋

しなだるワイパー
視界が滲んでいく

追いすがる雨を飲み下す交差点
人の行きかう路の上
答えを待つ日々と日々を待つ答え
擦り減らす日々を憂いても、未だ

環状線は何処へ向かって
際限なく日々を運ぶの
急旋回で僕は笑った
殺されそうなスピードで

名前の無いあなた
名前の無いビルディング
名前の無い電話の声

おそらくそれもコンピューター音声だろう