Okhotsk(ver1.01)
滲んだ月明かり ひしめく氷の群
欲望を運ぶ船は 闇に消えゆく


年老の口は緩み もたらした過去の悲劇
錆びつく運命の針が また動き出す


欲と恨みの渦に 巻き込まれてく
祈る恵み たどりつかむは 幻


荒ぶり かき攫う海に 頬つたう涙
細く 刻む 木彫りの瞳(め)の 見つめる先に
悲しみ 吸い込まれてゆく 大きすぎる空
止まぬ風を 嘲り波は ただ寄せるだけ


別離(わかれ)は人の常 この世はうたかたの夢
過ぎゆく 時間(とき)の流れさえ 胸に切なく


人世(ひとよ) 一夜の刹那 行き交う生命(いのち)
虚構と現実にまぎれた 真実


Ah 一瞬に消える いとおしき光
ひとつ ふたつ 壊れてく 叫びの果てに
心を塗りつぶすように 紅く染まる空
遠き地平 失意と共に 陽が落ちてゆく


想い・殺意 加速する 全て燃やして


悲しみ 包み込んでゆく 大きすぎる空
悼み 涙 浄めるよう 波は寄せてゆく