水性ペン
水性ペンで書いた君との約束の上に
紙パックのドロドロしたお酒を零したんだ
君といっしょにいたいのか いたくないのかも読み取れない

水性ペンで描いた僕の青写真の上に
気が抜けて生温くなったビールを零したんだ
どれがいつの どこで誰の 何がなんだかも分からない

晴れた8月の空に言葉を透かしたら
滲んで乾いたインクは何とでも読めそうさ

水性ペンで書いた冗談と行間の本音を
ポケットにしまったまま洗濯機で回したんだ
望んだ答えも 望まない答えも同じにしか見えない

パズルのように千切れた欠片を集めたら
でたらめに並べても 少し満たされそうさ