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我輩は猫である 第7回(ライブリポート編)
2021年3月09日 yukio
我輩は猫である。名前は無くは無い。
姓は眼(ガン)、名はタレオと云う。
ご主人様の隣家の前髪が白髪だらけの男が、とても目つきの悪い我輩に対して勝手につけた名前だ。
前は野良猫だったが、今は猫好きのご主人様に飼われ食いっぱぐれもなく平和な生活を送っている。
我輩は、この前髪が白髪だらけの男が作った隣家の窓から流れてくる音楽が結構気に入っていたりして聴いていて気持ち良くなって昼寝してしまうこともよくあるくらいだ。それで今回思い切って、 この前髪が白髪だらけの男が月1回阿佐ヶ谷でライブをやっているらしいので、
そのライブに 潜入し皆さんにリポートしてみようと思うのだ。
よし、ではこの男の後をつけて行ってみよう!
何?この男、ギターを担いで高円寺から阿佐ヶ谷までを歩いて行こうとしている。電車で一駅なのだが、電車代を浮かせようというのか?
他人のことをケチ呼ばわりしておいて 自分の方がよほどケチだということがこの男わかっていないらしい・・・ 。
ホホウ、”チェッカーボード”というお店でライブをやっているのか。黒人のブルース音楽をかけてる飲み屋さんのようだ。ママさんは”ツッチー”と呼ばれていて、寺島しのぶ似のなかなかの美人だ。
この男、いつも夜7時半からの出演になっているが、他の日は通常夜8時からの開演になっている?何か理由でもあるのか?
・・・どうやら、この男、客を呼べないらしく、この男の特別枠になっているらしい。
ライブ始まった!ここではアコースティックギター1本で唄っているみたいだ。相変わらず、いい唄、唄ってるな〜。猫の我輩からみても惚れ惚れする。
なんでお客が来ないんだろう?
パチパチパチパチ!ライブ終わった。(しばらく感動の余韻に浸る・・・)
おっ、この男、ぶっきらぼうに共演者に形だけ挨拶しただけで、あとはもうカウンターでビール飲んでる。何かもう少し笑顔 を振りまいたりして、愛想よくしろよ。営業とかやってたりするのに、ホント営業向きじゃないよな。
他の人のライブが始まった!みんな黒人音楽のブルースのコピーか、何唄ってるのかよくわからない
つまらないオリジナルの曲ばかりだ。なるほど、だからこの男、機嫌が余りよくないんだ。
それにしても、もう少し楽しそうな顔をするなりしてもいいだろうよ。
気持ちのない形だけの拍手なんかしたりしてさ。
営業の仕事やってるんだから、なんでここでも営業やんないのよ。
なになに?持ちつ持たれつの営業はやらないだって?あくまで自分の営業の持ち味は企画の切り口だって?
何をほざいてるんだ。この男は!もういい歳だろうが。
あくまで音楽勝負だって?いまだこの男、夢を見てるのか!?
このまま行くと、この男、残酷な現実が待ってるぞ!
いい唄、唄ってるのに、もう少し社交的になった方がいい。
猫の我輩が言うのも何だが、、、
”ピュー、ピュー、ピュー。”
おっと、ご主人様の口笛。
夜もふけてきたので、早く帰って来いの合図だ。
ここで油を売ってても仕方がないので
そろそろ立ち去ることにしよう。

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