やった
ついにやった
なんて良い日なのだろう。うれしすぎる。
この日のためにトムは生まれてきたのではないかとさえ思う。
父ちゃん母ちゃん、生んでくれてありがとう。僕は今幸せです。
昨日6月14日、ついに待ち焦がれた副都心線が開通した。
こんなに心がダンシィンしたのはいつ以来だろう、オージーザス。
前日13日は代々木LABOでのLIVE。
この日トムは朝からある策略を練っていた。つまり、打ち上げに出て、そのまま副都心線の始発に乗ってやろう、と。
仲間たちと気持ちよく大人なお酒をたしなみ、まだ締め切らない打ち上げに「俺には待っている人がいるんだ。お先に、アディオス」と、マイケルダグラスも青ざめる挨拶を施し、一人北参道駅へ。
地下から外へ出ると外はきれいな青空。 最高だ。絶好の地下鉄日和だ。ざまぁみやがれ、石原良純め。練り全権大使の座はトムのものだ。
駅はこの辺ではなかろうかと当たりをつけて歩くこと5分。
あった。
朝日を背に燦然と輝く東京メトロの看板。誇り高き威風堂々とした門構え。‘北参道駅’だ。
あまりのうれしさに明治通りを突っ切って走り出したら、いきなり車に惹かれそうになった。 危ない。我ここで死ぬわけにいかず。
駅の中に一歩入ればそこはもう異世界。バッキンガム宮殿もかくやと思わせる見事な内装。心なしか王室に咲くバラの香りさえしてくる。というか正直いえば、普通の白を基調としたシンプルな内装である。しぶい、しぶすぎる。
改札をSUICAで素通りなんぞナンセンスなことはしない。ここは礼を尽くさねば、と切符を購入し改札を。
改札を通る瞬間、駅員が一言、‘おはようございます’。
すばらしい、すばらしすぎる。こんなに‘おはようございます’という挨拶が気持ちの良いものだったなんて。明日からトムはノラ猫にだって‘おはようございます’を言おう。部屋においてあるサボテンにだって言うんだ。‘おはようございます’と。
そこからホームまで、エスカレーターでさらに地下へ。このエスカレーターにまた感動した。おや、エスカが止まっている、と思ったが、よく見れば微妙にゆっっっくり動いている。恐る恐るエスカの階段に足を乗せてみる。するとどうでしょう、エスカレーターが音も立てずに動き出したじゃありませんか。なんとハイテクかつ人間に優しい気遣いだろう。エモい、エモすぎる。
ホームに降り立つ。夢みたいだ。そうか、ここが桃源郷だったのか。
携帯のカメラで一人ニヤニヤと周りを撮りまくる。今か今かと列車が来るトンネルの闇を見つめていたそのとき、一人の若者と目が合った。立派な一眼レフのカメラを持ち、取り付かれたように同じく闇の先を見つめている。そうか、これが俗に言う、‘鉄ちゃん’とか‘鉄オタ’という方々か。 なるほど、初めて見た。
打ち上げで摂取したお酒と開通の喜びに酔っていたのであろう、目があった瞬間つい声をかけてしまった。
トム 「いよいよ....ですね」
鉄ちゃん 「ええ.....ついに...ですね」
トム 「待ちましたね」
鉄ちゃん 「ええ.....ここまで......長かった」
カッコ良すぎる。
まるで自分がこの副都心線を作ってきたかのような物言い。その瞬間、この一人の鉄ちゃんが、トムには大きく見えた。
そうこうするうちに、5:09、始発の副都心線がやってきた。車種は最新型車両・10000系。カッコいい、素敵すぎる。洗練された最新フォルム。男らしい重厚な肉厚感。女だったら抱かれたい男(列車)No.1にするだろう。
トム、写メを撮りまくる。
鉄ちゃん、なにやら奇声を上げながら、とり憑かれたように写真を撮りまくる。きっと本当に何か憑いていたんだろう。
扉が開く。頭の中にはボブ・ディランの‘Knockin’ on Heaven’s Door’が流れている。ここは礼を尽くして、パンパンと柏手を打ち、南無阿弥陀仏と合掌し、胸の前で十字を切ってからヨッシャと乗り込んだ。
朝5時過ぎという時間にもかかわらず、車中はなかなか込み入っている。見れば先ほどの男と同じようなナリをした者ばかり。ふむ、鉄道オタクとはこんなにも存在していたのだなぁ。
ここでも写メを鬼のように撮りまくる。そう、その姿鬼神のごとし。普段なら電車の中にそんな奴がいたら確実に不審者扱いだが、誰もトムをそんな目では見ない。さすが副都心線殿、懐が深い。
このあと、電車は新宿三丁目に。するとホームには北参道駅の5倍くらいの人々がホームに列を成して一斉にフラッシュを焚いている。電車の中から見てびっくりしてしまった。気分はもう祖国に凱旋した勇者のそれである。思わず車中から手を振る。
無駄に電車を降りてみると、テレビカメラのクルーがざっと4社はいた。さっそくそのうちの一社からインタビューされた。「ついに副都心線が開通されましたが、いかがですか?」の質問に対し、「生まれてきてよかった」「みんなありがとう」「副都心線は僕の恋人」「やっぱり片思いかも」「いや彼女の奴隷でもかまわない」「練り全権大使に俺はなる」などの答えを返しておく。きっとドン引きしていたのだろう、早々に打ち切られた。なんだ、あと10分は副都心線について語ろうと思っていたのに。
無駄にうろうろした後、再び電車に乗る。さぁおうちへ帰ろう。
帰りは悠々と座席に座れた。なんと座り心地の良いソファだろう。そのやわらかさには一片のいやらしさも無く、その肌触りはきめ細かい女人の肌を彷彿させる。まるでノルウェーの大草原に寝転んでいるかのようだ。
列車の揺れも少ない。そよ風に吹かれているようだ。
最新式のエモなエスカレーターに乗り再び地上へ。
やった。
最高だ。
ジーザス。
トムのおうちと目と鼻の先の、見慣れた通りに出た。もうここは敷地内といっても過言ではない。
やっぱり あんた 最高だよ 副ちゃん
最後に、
新宿三丁目駅にて、ホームで記念に駅員さんと写真を撮ってもらった。
(*写真はオリジナルのページにて)
この表情。
しぶい、しぶすぎる。
これが‘男’の顔か。
これからも、人々の生活を助け、人々を快適に運び、この地下世界を守っていってください。
こんな男に 僕は なりたい。
ついにやった
なんて良い日なのだろう。うれしすぎる。
この日のためにトムは生まれてきたのではないかとさえ思う。
父ちゃん母ちゃん、生んでくれてありがとう。僕は今幸せです。
昨日6月14日、ついに待ち焦がれた副都心線が開通した。
こんなに心がダンシィンしたのはいつ以来だろう、オージーザス。
前日13日は代々木LABOでのLIVE。
この日トムは朝からある策略を練っていた。つまり、打ち上げに出て、そのまま副都心線の始発に乗ってやろう、と。
仲間たちと気持ちよく大人なお酒をたしなみ、まだ締め切らない打ち上げに「俺には待っている人がいるんだ。お先に、アディオス」と、マイケルダグラスも青ざめる挨拶を施し、一人北参道駅へ。
地下から外へ出ると外はきれいな青空。 最高だ。絶好の地下鉄日和だ。ざまぁみやがれ、石原良純め。練り全権大使の座はトムのものだ。
駅はこの辺ではなかろうかと当たりをつけて歩くこと5分。
あった。
朝日を背に燦然と輝く東京メトロの看板。誇り高き威風堂々とした門構え。‘北参道駅’だ。
あまりのうれしさに明治通りを突っ切って走り出したら、いきなり車に惹かれそうになった。 危ない。我ここで死ぬわけにいかず。
駅の中に一歩入ればそこはもう異世界。バッキンガム宮殿もかくやと思わせる見事な内装。心なしか王室に咲くバラの香りさえしてくる。というか正直いえば、普通の白を基調としたシンプルな内装である。しぶい、しぶすぎる。
改札をSUICAで素通りなんぞナンセンスなことはしない。ここは礼を尽くさねば、と切符を購入し改札を。
改札を通る瞬間、駅員が一言、‘おはようございます’。
すばらしい、すばらしすぎる。こんなに‘おはようございます’という挨拶が気持ちの良いものだったなんて。明日からトムはノラ猫にだって‘おはようございます’を言おう。部屋においてあるサボテンにだって言うんだ。‘おはようございます’と。
そこからホームまで、エスカレーターでさらに地下へ。このエスカレーターにまた感動した。おや、エスカが止まっている、と思ったが、よく見れば微妙にゆっっっくり動いている。恐る恐るエスカの階段に足を乗せてみる。するとどうでしょう、エスカレーターが音も立てずに動き出したじゃありませんか。なんとハイテクかつ人間に優しい気遣いだろう。エモい、エモすぎる。
ホームに降り立つ。夢みたいだ。そうか、ここが桃源郷だったのか。
携帯のカメラで一人ニヤニヤと周りを撮りまくる。今か今かと列車が来るトンネルの闇を見つめていたそのとき、一人の若者と目が合った。立派な一眼レフのカメラを持ち、取り付かれたように同じく闇の先を見つめている。そうか、これが俗に言う、‘鉄ちゃん’とか‘鉄オタ’という方々か。 なるほど、初めて見た。
打ち上げで摂取したお酒と開通の喜びに酔っていたのであろう、目があった瞬間つい声をかけてしまった。
トム 「いよいよ....ですね」
鉄ちゃん 「ええ.....ついに...ですね」
トム 「待ちましたね」
鉄ちゃん 「ええ.....ここまで......長かった」
カッコ良すぎる。
まるで自分がこの副都心線を作ってきたかのような物言い。その瞬間、この一人の鉄ちゃんが、トムには大きく見えた。
そうこうするうちに、5:09、始発の副都心線がやってきた。車種は最新型車両・10000系。カッコいい、素敵すぎる。洗練された最新フォルム。男らしい重厚な肉厚感。女だったら抱かれたい男(列車)No.1にするだろう。
トム、写メを撮りまくる。
鉄ちゃん、なにやら奇声を上げながら、とり憑かれたように写真を撮りまくる。きっと本当に何か憑いていたんだろう。
扉が開く。頭の中にはボブ・ディランの‘Knockin’ on Heaven’s Door’が流れている。ここは礼を尽くして、パンパンと柏手を打ち、南無阿弥陀仏と合掌し、胸の前で十字を切ってからヨッシャと乗り込んだ。
朝5時過ぎという時間にもかかわらず、車中はなかなか込み入っている。見れば先ほどの男と同じようなナリをした者ばかり。ふむ、鉄道オタクとはこんなにも存在していたのだなぁ。
ここでも写メを鬼のように撮りまくる。そう、その姿鬼神のごとし。普段なら電車の中にそんな奴がいたら確実に不審者扱いだが、誰もトムをそんな目では見ない。さすが副都心線殿、懐が深い。
このあと、電車は新宿三丁目に。するとホームには北参道駅の5倍くらいの人々がホームに列を成して一斉にフラッシュを焚いている。電車の中から見てびっくりしてしまった。気分はもう祖国に凱旋した勇者のそれである。思わず車中から手を振る。
無駄に電車を降りてみると、テレビカメラのクルーがざっと4社はいた。さっそくそのうちの一社からインタビューされた。「ついに副都心線が開通されましたが、いかがですか?」の質問に対し、「生まれてきてよかった」「みんなありがとう」「副都心線は僕の恋人」「やっぱり片思いかも」「いや彼女の奴隷でもかまわない」「練り全権大使に俺はなる」などの答えを返しておく。きっとドン引きしていたのだろう、早々に打ち切られた。なんだ、あと10分は副都心線について語ろうと思っていたのに。
無駄にうろうろした後、再び電車に乗る。さぁおうちへ帰ろう。
帰りは悠々と座席に座れた。なんと座り心地の良いソファだろう。そのやわらかさには一片のいやらしさも無く、その肌触りはきめ細かい女人の肌を彷彿させる。まるでノルウェーの大草原に寝転んでいるかのようだ。
列車の揺れも少ない。そよ風に吹かれているようだ。
最新式のエモなエスカレーターに乗り再び地上へ。
やった。
最高だ。
ジーザス。
トムのおうちと目と鼻の先の、見慣れた通りに出た。もうここは敷地内といっても過言ではない。
やっぱり あんた 最高だよ 副ちゃん
最後に、
新宿三丁目駅にて、ホームで記念に駅員さんと写真を撮ってもらった。
(*写真はオリジナルのページにて)
この表情。
しぶい、しぶすぎる。
これが‘男’の顔か。
これからも、人々の生活を助け、人々を快適に運び、この地下世界を守っていってください。
こんな男に 僕は なりたい。
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