トムは今、憤慨している。
本日はここに抗議文をしたためる。
来るのだ
ついにやつが来る。
太古の昔から人類、殊に日本列島を恐怖のどん底におとしめてきた最悪の悪魔。
毎年、日本人すべての気分をまるで亜空間に連れ去り、その所業はまさに修羅の如く。
毎年、日本列島を丸ごと地獄に飲み込みあざ笑う、その所業まさに烈火の如し。
例年のように、今年も奴の到来をトムはがくがくぶるぶるで恐れていたのだ。
怖い。トムは奴に恐怖している。
そして来た。
ついに奴が来た。
梅雨が。
あぁなんと不快なことか。
日本人で良かったと思うことは多々あるが、梅雨だけは了見できぬ。我が誇りにかけて了見できぬ。‘いいとも’におけるタモリのやる気のないときの司会くらい了見できぬ。
梅雨に日本人の不幸のすべてがパッケージングされているのではないだろうか。
じめじめするから、というぬるい理由ではない。トムはじめじめにめっぽう強い。夏だって部屋でクーラーはほとんどつけない。常に全身から汗を噴き出した状態で、一人遊びを敢行している。
まず、根本的にトムは雨が嫌いだ。好きな人は少ないかもしれないが、人の倍、輪をかけて嫌いである。
雨が降っているだけでテンションは3割減はかたい。前世で雨に関する何がしかで命を落としたのではないだろうか、と思われる。
そして、トムは根っからのくせっ毛だ。根元から癖があるのだから、‘根っからのくせっ毛だ’ は言い得て妙である。
それに加えて、髪の量がやたらと多い。ちょっと手入れを怠ると、なんというか、まほんまほんになる。
母親からのこの‘くせっ毛’と‘量産型髪質’という負の遺伝子を、見事に受け継いでしまった。この二つを以って、‘トムの二重苦’といっても過言ではない。
この髪質が、特に梅雨においては仇(あだ)となる。水と油、猫とねずみ、ハブとマングース、おすぎとピーコ、日本ボクシング連盟と亀田兄弟の関係といえばわかりやすいだろうか。
梅雨が襲い掛かったとたん、トムの髪は地球の重力という、万物の根本原則を無視し始める。この現象をみれば、ニュートンだって重力の存在を疑ったであろう。
また、トムは腰痛持ちだ。これが雨の日は特に辛くなる時が多い。
神経痛や腰痛が低気圧に反応する、ということを聞いたことがあるだろうか。嘘だと思うかもしれないが、これがあながち間違いではないのだ。天気の時にでも、‘あ、雨降るな’と思うときがよくある。そして本当に降る。
以上のことから、梅雨に恐怖している。
だから、今年こそは梅雨に心を折られないよう、前もってきちんと準備をするつもりであったのだ。
そこで一人の男に希望を託した。
石原良純に。
フジテレビの看板お天気キャスターだ。
五月も初旬のころから、なるべく彼の動向を探り、その言葉を祈祷師のご宣託の如く聞き入っていた。
そして、待ちに待ったその日が来たのだ。
石原良純いわく、‘今年の梅雨はね、6月13日くらいに来ますよ’。
きた。きたぞぅ。かしこまりやした、親分。
それを信じて、10日までには髪もすくし、パーマだってかけようと思っていた。準備は整えるつもりだったのだ、彼を信じて。
そして、6月2日、ふと石原良純のお天気コーナーを目にしたのだ。ふむふむ、あなたのおかげで今年はばっちりですよ、と。
‘梅雨入りしちゃいましたね~HAHAHA’
なんなのだ、それは。
頭が真っ白になった。
思わず、食べていたシュークリームを床に落とした。
人の希望を易々と打ち砕き、あまつさえ悪びれようともしないその傲岸不遜な姿勢。
思いっっ切りはずしたのにも関わらず、笑顔を振りまくその厚顔無恥。
まず根本的に顔がでか過ぎる。
なんなのだ、それは。
許せぬ。許さぬぞ。
人類の威信にかけて、奴を許さぬ。
まずは敵を知らねば、とウィキペディアで石原良純を調べた。
(以下抜粋)
「魚肉練り製品が好物(特になると)。~~~~2005年10月には、すべての練り物の大使である、『練り全権大使』に就任した。」
なんなのだ、それは。
練ってる場合ではない。
貴様は空を読む祈祷師。練ってる場合ではない。
予報士にしろタレントにしろ、稼業を張るなら練るでない。予報を練らず、なぜ魚肉を練るのだ。
これでトムがとるべき行動の指針は決まった。
1、まず、これから全身全霊をもってフジテレビに抗議のTELをかけまくる
2、「練り全権大使」の座を奪う
これより、コンビニに行きかまぼこを買ってくる。
練り全権大使に、
俺はなる。
本日はここに抗議文をしたためる。
来るのだ
ついにやつが来る。
太古の昔から人類、殊に日本列島を恐怖のどん底におとしめてきた最悪の悪魔。
毎年、日本人すべての気分をまるで亜空間に連れ去り、その所業はまさに修羅の如く。
毎年、日本列島を丸ごと地獄に飲み込みあざ笑う、その所業まさに烈火の如し。
例年のように、今年も奴の到来をトムはがくがくぶるぶるで恐れていたのだ。
怖い。トムは奴に恐怖している。
そして来た。
ついに奴が来た。
梅雨が。
あぁなんと不快なことか。
日本人で良かったと思うことは多々あるが、梅雨だけは了見できぬ。我が誇りにかけて了見できぬ。‘いいとも’におけるタモリのやる気のないときの司会くらい了見できぬ。
梅雨に日本人の不幸のすべてがパッケージングされているのではないだろうか。
じめじめするから、というぬるい理由ではない。トムはじめじめにめっぽう強い。夏だって部屋でクーラーはほとんどつけない。常に全身から汗を噴き出した状態で、一人遊びを敢行している。
まず、根本的にトムは雨が嫌いだ。好きな人は少ないかもしれないが、人の倍、輪をかけて嫌いである。
雨が降っているだけでテンションは3割減はかたい。前世で雨に関する何がしかで命を落としたのではないだろうか、と思われる。
そして、トムは根っからのくせっ毛だ。根元から癖があるのだから、‘根っからのくせっ毛だ’ は言い得て妙である。
それに加えて、髪の量がやたらと多い。ちょっと手入れを怠ると、なんというか、まほんまほんになる。
母親からのこの‘くせっ毛’と‘量産型髪質’という負の遺伝子を、見事に受け継いでしまった。この二つを以って、‘トムの二重苦’といっても過言ではない。
この髪質が、特に梅雨においては仇(あだ)となる。水と油、猫とねずみ、ハブとマングース、おすぎとピーコ、日本ボクシング連盟と亀田兄弟の関係といえばわかりやすいだろうか。
梅雨が襲い掛かったとたん、トムの髪は地球の重力という、万物の根本原則を無視し始める。この現象をみれば、ニュートンだって重力の存在を疑ったであろう。
また、トムは腰痛持ちだ。これが雨の日は特に辛くなる時が多い。
神経痛や腰痛が低気圧に反応する、ということを聞いたことがあるだろうか。嘘だと思うかもしれないが、これがあながち間違いではないのだ。天気の時にでも、‘あ、雨降るな’と思うときがよくある。そして本当に降る。
以上のことから、梅雨に恐怖している。
だから、今年こそは梅雨に心を折られないよう、前もってきちんと準備をするつもりであったのだ。
そこで一人の男に希望を託した。
石原良純に。
フジテレビの看板お天気キャスターだ。
五月も初旬のころから、なるべく彼の動向を探り、その言葉を祈祷師のご宣託の如く聞き入っていた。
そして、待ちに待ったその日が来たのだ。
石原良純いわく、‘今年の梅雨はね、6月13日くらいに来ますよ’。
きた。きたぞぅ。かしこまりやした、親分。
それを信じて、10日までには髪もすくし、パーマだってかけようと思っていた。準備は整えるつもりだったのだ、彼を信じて。
そして、6月2日、ふと石原良純のお天気コーナーを目にしたのだ。ふむふむ、あなたのおかげで今年はばっちりですよ、と。
‘梅雨入りしちゃいましたね~HAHAHA’
なんなのだ、それは。
頭が真っ白になった。
思わず、食べていたシュークリームを床に落とした。
人の希望を易々と打ち砕き、あまつさえ悪びれようともしないその傲岸不遜な姿勢。
思いっっ切りはずしたのにも関わらず、笑顔を振りまくその厚顔無恥。
まず根本的に顔がでか過ぎる。
なんなのだ、それは。
許せぬ。許さぬぞ。
人類の威信にかけて、奴を許さぬ。
まずは敵を知らねば、とウィキペディアで石原良純を調べた。
(以下抜粋)
「魚肉練り製品が好物(特になると)。~~~~2005年10月には、すべての練り物の大使である、『練り全権大使』に就任した。」
なんなのだ、それは。
練ってる場合ではない。
貴様は空を読む祈祷師。練ってる場合ではない。
予報士にしろタレントにしろ、稼業を張るなら練るでない。予報を練らず、なぜ魚肉を練るのだ。
これでトムがとるべき行動の指針は決まった。
1、まず、これから全身全霊をもってフジテレビに抗議のTELをかけまくる
2、「練り全権大使」の座を奪う
これより、コンビニに行きかまぼこを買ってくる。
練り全権大使に、
俺はなる。
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