strange world's end

夜、散歩する。

小雨とも言えない位の雨を感じる。

少し肌寒い。

道行くゴキブリを横目に見る。

どこかの家の微かなテレビの音。

遠くを走るバイクの音。

誰かの足音。

名も知らない花のつぼみを見る。

虫の音。

肉の軋む音。

瞬きの音。

胸の音。

鼓動。

俺は何なんだろう。

考え事は加速度を増し、動悸をまた引き起こす。

最近は音楽をちゃんと聴くのも本を読む事も出来ない。

頭に入らない。

集中力というか、無気力なのか解らないけども。


公園のベンチに座り、ぼんやりと光る電灯を見る。

アレルギーでボロボロになった両手を見る。


普通に生きるのは難しいな。

しかし「何もしない」をするのもまた、予想より難しいようだ。

死ぬ事なんて簡単なのにな。


雨が小雨くらいになったので帰路へ着く。