いつも本屋に行くと文庫を2冊買う。
一つは物凄く時間をかけて選び、もう一つは何となく手に取る。
そしてアルバイトの休憩時間中に順番に読んでいく。
つい先日、本を入れ間違えて「しまった!」ということがあった。
読み始めて間もないのに関わらず、妙に深いところに栞が挟まっていた。
仕方がないので、家に置いてきてしまった読みかけの本を一時忘れて、2冊目を読み始めた。
それは、やたらと重大と言う意味で重い1冊目とは対極にあるサラリとしたラブストーリー。
若干、失礼ながらこの作家をナメテいた。
イシダイラ氏。
言わずと知れた「池袋ウエストゲートパーク」の作者。
「サラリとしたラブストーリー」というのは本屋でパラパラめくった時点でわかっていたのだが、「こーゆーのも書くのかよ」と「読んでみてやろう」と生意気な気持ちでレジへ運んだ。
淡い恋愛短編集なんだが、どの主人公も20代前後から30くらいまでである。(まだ読みきっていないので確かではない)
何を意味しているかというと
当然、性交渉を避けて通れない年代のラブストーリーということ。
文章の巧さはこの「性交渉に関する描写」が「巧いか否か」である。
行為自体は一つなのにあらゆる手法を使って描写していく技術。
そして、その表現によって前後のストーリーを良くも悪くもする。
「関する」と書いたのは会話や前後の表現が重要であるということ。
イシダイラ氏は、それが物凄くアッサリと美しいのである。
下世話な言い方をすれば「潔癖な女性が嫌悪しない」表現。
かといって、避けるわけではない。
前後の淡さとのバランスが丁度いい・・というより少し薄いくらいの感じが、凄く「美しいままのリアリティ」を生み出している。
何故、ここまで褒めるかというと男性作家では結構珍しかったりするのである。女性作家では山本文緒に少し似ている。
男性作家の場合はむしろ「あっさりしすぎるくらいなら書かない」場合が多い(笑)
俺がもっとも気に入ったのはこのイシダイラ氏著の『スローグッドバイ』に収録されている『真珠のコップ』という作品。
「あっさりした表現だから活きるストーリー」である。
コールガールとの恋の話。
月に2度指名する身体だけの関係。それが心地良かったのだが、いつの間にか肉体が目的ではなくなってゆく。時には前の客で疲れた彼女の寝顔を見ているだけの90分だったりする。
<抜粋文>(つまりこーゆー場面が活きるのです)
・★・・★・・・・・・・・・
「今日は帰る。ぼくはリカコとこんな普通のデートがしたかった。今夜セックスしたら、すごく素的な普通の事が、どこにでもある特別な夜になっちゃう気がする。」
(そして数ヶ月が過ぎ)
「つぎでリカコを指名するのは最後にする。」
・★・・★・・・・・・・・・
ちなみに俺が最も感動したのは数ヶ月前に日記に書いた『愛にこんがらがって』という小説の一言。
「縛ってもいいよ。」
です。
浮気相手との関係によってS化した主人公がムシャクシャしてノーマルな本命彼女を縛って事を進める。
そして逃げられ、別れる。
後に復縁して結婚。
結婚生活に慣れ始めた、昔の事を忘れていた頃、嫁が言った一言。
「縛ってもいいよ。」
な、泣ける・・・;;
ん~、今日の日記は変に深いなぁw
一つは物凄く時間をかけて選び、もう一つは何となく手に取る。
そしてアルバイトの休憩時間中に順番に読んでいく。
つい先日、本を入れ間違えて「しまった!」ということがあった。
読み始めて間もないのに関わらず、妙に深いところに栞が挟まっていた。
仕方がないので、家に置いてきてしまった読みかけの本を一時忘れて、2冊目を読み始めた。
それは、やたらと重大と言う意味で重い1冊目とは対極にあるサラリとしたラブストーリー。
若干、失礼ながらこの作家をナメテいた。
イシダイラ氏。
言わずと知れた「池袋ウエストゲートパーク」の作者。
「サラリとしたラブストーリー」というのは本屋でパラパラめくった時点でわかっていたのだが、「こーゆーのも書くのかよ」と「読んでみてやろう」と生意気な気持ちでレジへ運んだ。
淡い恋愛短編集なんだが、どの主人公も20代前後から30くらいまでである。(まだ読みきっていないので確かではない)
何を意味しているかというと
当然、性交渉を避けて通れない年代のラブストーリーということ。
文章の巧さはこの「性交渉に関する描写」が「巧いか否か」である。
行為自体は一つなのにあらゆる手法を使って描写していく技術。
そして、その表現によって前後のストーリーを良くも悪くもする。
「関する」と書いたのは会話や前後の表現が重要であるということ。
イシダイラ氏は、それが物凄くアッサリと美しいのである。
下世話な言い方をすれば「潔癖な女性が嫌悪しない」表現。
かといって、避けるわけではない。
前後の淡さとのバランスが丁度いい・・というより少し薄いくらいの感じが、凄く「美しいままのリアリティ」を生み出している。
何故、ここまで褒めるかというと男性作家では結構珍しかったりするのである。女性作家では山本文緒に少し似ている。
男性作家の場合はむしろ「あっさりしすぎるくらいなら書かない」場合が多い(笑)
俺がもっとも気に入ったのはこのイシダイラ氏著の『スローグッドバイ』に収録されている『真珠のコップ』という作品。
「あっさりした表現だから活きるストーリー」である。
コールガールとの恋の話。
月に2度指名する身体だけの関係。それが心地良かったのだが、いつの間にか肉体が目的ではなくなってゆく。時には前の客で疲れた彼女の寝顔を見ているだけの90分だったりする。
<抜粋文>(つまりこーゆー場面が活きるのです)
・★・・★・・・・・・・・・
「今日は帰る。ぼくはリカコとこんな普通のデートがしたかった。今夜セックスしたら、すごく素的な普通の事が、どこにでもある特別な夜になっちゃう気がする。」
(そして数ヶ月が過ぎ)
「つぎでリカコを指名するのは最後にする。」
・★・・★・・・・・・・・・
ちなみに俺が最も感動したのは数ヶ月前に日記に書いた『愛にこんがらがって』という小説の一言。
「縛ってもいいよ。」
です。
浮気相手との関係によってS化した主人公がムシャクシャしてノーマルな本命彼女を縛って事を進める。
そして逃げられ、別れる。
後に復縁して結婚。
結婚生活に慣れ始めた、昔の事を忘れていた頃、嫁が言った一言。
「縛ってもいいよ。」
な、泣ける・・・;;
ん~、今日の日記は変に深いなぁw
コメントを投稿するにはAudioleafへログインしてください。