1年ほど前に読んだ みうらじゅん氏の「LOVE」というエッセイ集を何故か読み返した。
先日、俺と同様みうら氏を愛する友人と話をしたせいかもしれない。
みうら氏の魅力はあまりにも非人間的に生々しく、自分を筆頭として人間を語るところにある。この辺のところは「俺もそんな人になりたい」という思いがあるので、語ると長い。だから今回はそっとしておく。
今回は彼の「照れ隠し」部分ではない所の話。
彼のエッセイはだいたい、
8割以上が「オモシロ話」や「彼独特?の視点で物事を見る」という内容である。
それを「照れ隠し」と今回は呼ぶ。
その「照れ」部分が泣けるんである。
つまりは「ゴジラはロケンロール」という話が「照れ隠し」
「あの頃好きな女の子がいて」という話が「照れ」
「LOVE」の一番最後に『ラブレター』というエッセイが収録されている。生々しさがグっとくる。
小説ではなく、ただ、「みうら氏の思い出話」ということにグっとくる。自分の事を語る場合、それはノンフィクションを越えた「超私小説」である。俺はそんな みうら氏 に恋して止まないのである。
こっからは みうら氏に興味がある方だけどうぞ(笑)
以下、『ラブレター』より抜粋。
”僕はドキドキしながら、そしてついに君に告白するべくハガキをポストに落とした。「もう何もかも終わった」僕はそう思うと、朝の陽差しの中で爽快感を味わった”
”もう何もかもが今は思い出。思い出の中の2人だからこそ今、こうしていられるのだ。「ハガキやんか、うちのお父さんも見たはったしな私、立場あらへんだわ。」 ~略~ そして帰り道「付き合わへん?」って聞いたんだ。「いいよ。」って君はあっさり言った。”
”どこかキスができる場所はないものだろうかと歩き回った。夕暮れになり、人影のない路地で君を抱きしめた。「ダメ、ダメって!」君は抵抗した。僕は弱虫なので、また手をつなぎ直して、何事もなかったように歩き出した。”
”僕は二浪して念願の美大に入学した。同じセンスを共有できる仲間と知り合い、僕の生活は灰色からバラ色に変わった。君との手紙のやり取りもぷっつり途絶え ~略~ それでも僕はたまに君を思い出す。東京で変わってしまうまでの僕を君が知ってる。”
”そして最期に、「好きでした」とひと言、太いマジックで書き添えてあった。一瞬顔はニヤついたが、その後すごく悲しくなった。”
”あの時、浴衣姿で台所に立ち、母親の手伝いをしていた君はもういない。人は同じ場所に同じキモチではいられない。あの頃の君も、僕ももうどこにもいない。思い出は幻想の彼方。そんな思い出もいつかは思い出せなくなって、人は死ぬ。”
”中年男がひとり、初恋の女の子の家を捜してる。世に言う「ストーカー」ってやつだ。 ~略~ あの頃の想いが忘れられないノイローゼ。ふと路地の陰から浴衣姿の君が現れて、「純ちゃん!」と声をかける。そんな夢を見続け、「もう終わってるよ」と誰かに肩を叩かれても、まだ青春のド真ん中にいるような気がする。”
”実家に戻ると妻が浴衣を着ていてドキっとした。フーゾク帰りの気まずい夫のような気分。これから嵐山のお祭りに行くという。僕は子供の手を引いて、あの夏と同じ祭りを見ていた。幻想的な世界で僕はあの時の君の姿を捜していた”
終わり
ちなみに、、、「ゴジラ」の話が気になる方は「LOVE」を読んでください(笑)
先日、俺と同様みうら氏を愛する友人と話をしたせいかもしれない。
みうら氏の魅力はあまりにも非人間的に生々しく、自分を筆頭として人間を語るところにある。この辺のところは「俺もそんな人になりたい」という思いがあるので、語ると長い。だから今回はそっとしておく。
今回は彼の「照れ隠し」部分ではない所の話。
彼のエッセイはだいたい、
8割以上が「オモシロ話」や「彼独特?の視点で物事を見る」という内容である。
それを「照れ隠し」と今回は呼ぶ。
その「照れ」部分が泣けるんである。
つまりは「ゴジラはロケンロール」という話が「照れ隠し」
「あの頃好きな女の子がいて」という話が「照れ」
「LOVE」の一番最後に『ラブレター』というエッセイが収録されている。生々しさがグっとくる。
小説ではなく、ただ、「みうら氏の思い出話」ということにグっとくる。自分の事を語る場合、それはノンフィクションを越えた「超私小説」である。俺はそんな みうら氏 に恋して止まないのである。
こっからは みうら氏に興味がある方だけどうぞ(笑)
以下、『ラブレター』より抜粋。
”僕はドキドキしながら、そしてついに君に告白するべくハガキをポストに落とした。「もう何もかも終わった」僕はそう思うと、朝の陽差しの中で爽快感を味わった”
”もう何もかもが今は思い出。思い出の中の2人だからこそ今、こうしていられるのだ。「ハガキやんか、うちのお父さんも見たはったしな私、立場あらへんだわ。」 ~略~ そして帰り道「付き合わへん?」って聞いたんだ。「いいよ。」って君はあっさり言った。”
”どこかキスができる場所はないものだろうかと歩き回った。夕暮れになり、人影のない路地で君を抱きしめた。「ダメ、ダメって!」君は抵抗した。僕は弱虫なので、また手をつなぎ直して、何事もなかったように歩き出した。”
”僕は二浪して念願の美大に入学した。同じセンスを共有できる仲間と知り合い、僕の生活は灰色からバラ色に変わった。君との手紙のやり取りもぷっつり途絶え ~略~ それでも僕はたまに君を思い出す。東京で変わってしまうまでの僕を君が知ってる。”
”そして最期に、「好きでした」とひと言、太いマジックで書き添えてあった。一瞬顔はニヤついたが、その後すごく悲しくなった。”
”あの時、浴衣姿で台所に立ち、母親の手伝いをしていた君はもういない。人は同じ場所に同じキモチではいられない。あの頃の君も、僕ももうどこにもいない。思い出は幻想の彼方。そんな思い出もいつかは思い出せなくなって、人は死ぬ。”
”中年男がひとり、初恋の女の子の家を捜してる。世に言う「ストーカー」ってやつだ。 ~略~ あの頃の想いが忘れられないノイローゼ。ふと路地の陰から浴衣姿の君が現れて、「純ちゃん!」と声をかける。そんな夢を見続け、「もう終わってるよ」と誰かに肩を叩かれても、まだ青春のド真ん中にいるような気がする。”
”実家に戻ると妻が浴衣を着ていてドキっとした。フーゾク帰りの気まずい夫のような気分。これから嵐山のお祭りに行くという。僕は子供の手を引いて、あの夏と同じ祭りを見ていた。幻想的な世界で僕はあの時の君の姿を捜していた”
終わり
ちなみに、、、「ゴジラ」の話が気になる方は「LOVE」を読んでください(笑)
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