邦画ビデオ3本。
今回は「下妻物語」「ギミー・ヘブン」「奇談」の3本。
予想外に3本とも面白かった。
「下妻物語」は単純明快な友情話。有名なので語らず。
「ギミー・ヘブン」これも結構メジャー・・かしら?。
江口洋介・宮崎あおい・安藤政信・鳥肌実・・・。
五感が少しズレている症状「共感覚」の話。言葉に色がついていたり、画に言葉がついていたり、あらゆるものが少し変わった風に見えたり感じたりする。「スプーンはタンポポ」なんだそうだ。「数字の5は四角」だったかな?(忘れ)
殺人事件現場に残されたワインで描かれた朱い色の不思議な絵。それって何かのメッセージじゃない?刑事は共感覚を持つ人間の存在に気付く。共感覚を持つ人間の一人シンちゃん(江口洋介)は以前にその画を見たことがあった。それはピカソという名の男が動画公開した人間の自殺映像の中。彼に興味を持っていたシンちゃん。そんな折、事件から行方をくらましている少女マリ(宮崎あおい)が倒れているのを発見するのだった・・・・。
どう?観たくなった?(笑)
さて、今回深くご紹介したいのは3本目の「奇談」。
藤澤恵麻 、 阿部寛 、 草村礼子 、 清水紘治 、 菅原大吉 。
阿部寛が教授役というのは大人気ドラマ「トリック」と同じw
この映画は「キリスト教」について若干の基礎知識が必要である。ちなみに俺も若干しか知らないw
画があまりわからないクセに、「ゴルゴダの丘」という画(キリストが自分の処刑地に十字架を背負って歩く画)を気に入ってしまった青春大学生時代があり、少し調べたのである。
ストーリー&感想
民俗学研究室で研究に勤しむ院生である里美(藤澤)はここのところ同じ夢をよく見る。幼い男の子が手を振る、というもの。彼女は7歳頃の記憶が欠落している。調べていく内に、その頃神隠しにあっていた事が判明。当時、預けられていた集落を独り訪れる。そこは切支丹の村。そして、その村人がこぞって嫌う近隣の「隠れ切支丹」達の「はなれ」と呼ばれる村。
歴史を紐解く。キリスト教弾圧の折、「踏み絵」を黙ってこなし、密かに信徒であり続ける「隠れ切支丹」の存在。
当時(島原の乱前後だと思われるので江戸初期1640年頃)、「神隠し」には「はなれ」に住む「隠れ切支丹」達が関与した犯罪だと村では囁かれていた。その為、「村八分」が盛んになり、「はなれ」はますます隔別された。
近親婚姻が何代にも渡って続き、「はなれ」の村人は皆7歳児程度の知能しかない。
里美は段々と記憶を取り戻す。
「あの時、はなれに行ったのだ。」「あの時、男の子と一緒だった。」「夢に出てくる男の子だ。」「その男の子は神隠しにあったまま未だ帰ってきていない。」
そして事件が起こる。
「骨山」と呼ばれる山の頂上に立てられた十字架。そこには一人の男の死体。四肢には杭を打たれ、胸を刺され、目玉は消失している。
「はなれ」の仕業だ。
「キリスト処刑」を、いや、その村に伝わる聖書を再現したのである。
ユダ(キリストを売った男)に選ばれた男は裏切り者役にされ、キリストに選ばれた男は処刑され、他の村民はインフェルノと呼ばれる地獄(山奥の謎の祠にある大穴)でキリストの再生(処刑の3日後蘇生したという伝説がある)を待つ。
やがて死んだはずのキリスト役は蘇り、地獄で待つ「はなれ」の村民を天国へと導くのである。
やはり7歳児の知能しか持たないユダは
「オラも連れてってけろぅ」と泣き崩れる。
ユダに選ばれた者のみが天国へ行くことを許されず、他の者は皆死んでいく。
ラストシーンでは今まで「神隠し」にあった少年達が皆生き返る。里美と遊んだ少年を除いて。少年はキリスト様との再生を選んだのだ。
そして、「何故キリストが生き返ったのか?」「何故、神隠しが起こるのか?」その事については語られない。
冷静に考えると、酷い映画である(笑)
この話の深さは聖書に寄る「2つの実」である。
「知恵の実」と「生命の実」
「両方を食べてはいけない。食べれば罰が下される。」
「我々人間は、知恵の実を食べた者の子孫。」
「はなれ の者は生命の実をも食べた。」
「罰として知恵を忘れ、隔別された」
「なぜ?キリスト教が日本という遠い島国に伝えられた?」
「日本は黄金の国と呼ばれていた。」
「宣教師達は日本に”生命の木”があるに違いない、と考えた。という説。」
「知恵と生命、どちらの実を食べた者が幸せなのか?」
「本当の幸せって何なのか?」
最後のシーンで都会をぶらつく浮浪者。彼はあの時「はなれ」にいた「ユダに選ばれた男」。
「オラも連れてってくだせぇ。」と呟き続ける。
人間なんて何にもわからないままの生き物だが・・・・
ただ、「裏切った者は救われない」ことだけは否めない。
何とも考えさせられる映画であった。
エンターテイメント性は薄いので、孤立村サイコホラーが好きな方は「サイレン」や「ビレッジ」の方をオススメします。「八つ墓村」とか(笑)
こんな面倒臭くて長い話を最後まで読んでくれた皆様サンクス!
散々書いておいて何ですが・・・
最もスッキリするのは「下妻物語」ですw
あと「ギミーヘブン」は絵もキレイですよ「大きい粒の雨はガーベラ」に見えますから^^
今回は「下妻物語」「ギミー・ヘブン」「奇談」の3本。
予想外に3本とも面白かった。
「下妻物語」は単純明快な友情話。有名なので語らず。
「ギミー・ヘブン」これも結構メジャー・・かしら?。
江口洋介・宮崎あおい・安藤政信・鳥肌実・・・。
五感が少しズレている症状「共感覚」の話。言葉に色がついていたり、画に言葉がついていたり、あらゆるものが少し変わった風に見えたり感じたりする。「スプーンはタンポポ」なんだそうだ。「数字の5は四角」だったかな?(忘れ)
殺人事件現場に残されたワインで描かれた朱い色の不思議な絵。それって何かのメッセージじゃない?刑事は共感覚を持つ人間の存在に気付く。共感覚を持つ人間の一人シンちゃん(江口洋介)は以前にその画を見たことがあった。それはピカソという名の男が動画公開した人間の自殺映像の中。彼に興味を持っていたシンちゃん。そんな折、事件から行方をくらましている少女マリ(宮崎あおい)が倒れているのを発見するのだった・・・・。
どう?観たくなった?(笑)
さて、今回深くご紹介したいのは3本目の「奇談」。
藤澤恵麻 、 阿部寛 、 草村礼子 、 清水紘治 、 菅原大吉 。
阿部寛が教授役というのは大人気ドラマ「トリック」と同じw
この映画は「キリスト教」について若干の基礎知識が必要である。ちなみに俺も若干しか知らないw
画があまりわからないクセに、「ゴルゴダの丘」という画(キリストが自分の処刑地に十字架を背負って歩く画)を気に入ってしまった青春大学生時代があり、少し調べたのである。
ストーリー&感想
民俗学研究室で研究に勤しむ院生である里美(藤澤)はここのところ同じ夢をよく見る。幼い男の子が手を振る、というもの。彼女は7歳頃の記憶が欠落している。調べていく内に、その頃神隠しにあっていた事が判明。当時、預けられていた集落を独り訪れる。そこは切支丹の村。そして、その村人がこぞって嫌う近隣の「隠れ切支丹」達の「はなれ」と呼ばれる村。
歴史を紐解く。キリスト教弾圧の折、「踏み絵」を黙ってこなし、密かに信徒であり続ける「隠れ切支丹」の存在。
当時(島原の乱前後だと思われるので江戸初期1640年頃)、「神隠し」には「はなれ」に住む「隠れ切支丹」達が関与した犯罪だと村では囁かれていた。その為、「村八分」が盛んになり、「はなれ」はますます隔別された。
近親婚姻が何代にも渡って続き、「はなれ」の村人は皆7歳児程度の知能しかない。
里美は段々と記憶を取り戻す。
「あの時、はなれに行ったのだ。」「あの時、男の子と一緒だった。」「夢に出てくる男の子だ。」「その男の子は神隠しにあったまま未だ帰ってきていない。」
そして事件が起こる。
「骨山」と呼ばれる山の頂上に立てられた十字架。そこには一人の男の死体。四肢には杭を打たれ、胸を刺され、目玉は消失している。
「はなれ」の仕業だ。
「キリスト処刑」を、いや、その村に伝わる聖書を再現したのである。
ユダ(キリストを売った男)に選ばれた男は裏切り者役にされ、キリストに選ばれた男は処刑され、他の村民はインフェルノと呼ばれる地獄(山奥の謎の祠にある大穴)でキリストの再生(処刑の3日後蘇生したという伝説がある)を待つ。
やがて死んだはずのキリスト役は蘇り、地獄で待つ「はなれ」の村民を天国へと導くのである。
やはり7歳児の知能しか持たないユダは
「オラも連れてってけろぅ」と泣き崩れる。
ユダに選ばれた者のみが天国へ行くことを許されず、他の者は皆死んでいく。
ラストシーンでは今まで「神隠し」にあった少年達が皆生き返る。里美と遊んだ少年を除いて。少年はキリスト様との再生を選んだのだ。
そして、「何故キリストが生き返ったのか?」「何故、神隠しが起こるのか?」その事については語られない。
冷静に考えると、酷い映画である(笑)
この話の深さは聖書に寄る「2つの実」である。
「知恵の実」と「生命の実」
「両方を食べてはいけない。食べれば罰が下される。」
「我々人間は、知恵の実を食べた者の子孫。」
「はなれ の者は生命の実をも食べた。」
「罰として知恵を忘れ、隔別された」
「なぜ?キリスト教が日本という遠い島国に伝えられた?」
「日本は黄金の国と呼ばれていた。」
「宣教師達は日本に”生命の木”があるに違いない、と考えた。という説。」
「知恵と生命、どちらの実を食べた者が幸せなのか?」
「本当の幸せって何なのか?」
最後のシーンで都会をぶらつく浮浪者。彼はあの時「はなれ」にいた「ユダに選ばれた男」。
「オラも連れてってくだせぇ。」と呟き続ける。
人間なんて何にもわからないままの生き物だが・・・・
ただ、「裏切った者は救われない」ことだけは否めない。
何とも考えさせられる映画であった。
エンターテイメント性は薄いので、孤立村サイコホラーが好きな方は「サイレン」や「ビレッジ」の方をオススメします。「八つ墓村」とか(笑)
こんな面倒臭くて長い話を最後まで読んでくれた皆様サンクス!
散々書いておいて何ですが・・・
最もスッキリするのは「下妻物語」ですw
あと「ギミーヘブン」は絵もキレイですよ「大きい粒の雨はガーベラ」に見えますから^^
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