ゆみこ

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さっきまで練馬に行っちょった。久しぶり。やっぱり練馬に行くと泣きそうになる。練馬は上京してすぐに二年間生活をした場所。アパートは信じられんくらい狭かった。四畳くらいしかなかったと思う。布団敷いたら終わり。ラックを置けば布団が少し折れまがった。孤独でしかなかった。家賃と少しの生活費以外のお金は稼がんかった。毎日寝て過ごした。万年床の布団にはたくさんのカビが生えた。毎日タマネギを食べた。三日に一回だけ半合のお米がつくシステム。欲しい物なんて無かった。会いたい人もおらんかった。いろんな事を考えた。今じゃそれだって何一つ覚えてない。廃人みたいな生活を送った。つまりね、いい思い出なんてひとつもないがよ。でもなぜか行く度に泣きそうになるし、たまに行きたくなる。なんでやろう。たぶんきっとあの頃の僕には何も無かったきやと思う。
彼女ができたら練馬で暮らしたいな。