ゆみこ

オレらが演奏する曲のそのほとんどは誰かに向け発したもの。だから人がおらんとこでなんて歌いたくもない。オレはそこまで音楽が好きなわけじゃない。
そん中で唯一、自分の内面だけを歌いゆうのが『東京』とゆう曲。この曲を歌う時だけはライブハウスだろうが、部屋で一人ぼっちの時だろうが、テンションは変わらん。もっと言えば、この曲を歌いゆう時は君らの顔なんて見てないどころか存在すら感じてない。

曲ができたのは二年前くらいか。リハーサルスタジオに向かう道の途中、立川駅南口の大きな陸橋の上。ふと見た空が本当にオレを吸い込んでしまいそうやった。生まれて初めての経験だ。流れる人波の中、オレはその場にしゃがみ込みリハーサルにも行かず１時間程空を眺めた。(途中、ガッツが目の前を横切ってったけど無視した。笑)

あの場所はオレにとって特別な場所ながよ。

そして、“僕はこの時を忘れてしまうだろう”そう嘆いたあの場所で、昨日、オレは恋に落ちた。一目惚れとゆうやつだ。