Jul9
『微かな振動』Vo.1
2008年7月09日 コーコ
コーコ blog<A href="http://blog.livedoor.jp/cromagarage/" target="_blank">「哀しみが晴れる日」より</a>より

大好きだった友達。その当時、私がどんな想いから彼女を好きだったか今となっては思い出せないが、好きだった気持ちは今も薄れる事はない。

私はワガママで自分勝手だった。相手を好きだからといって思いやれるとは限らない。いつも私は自分の話ばかりして、彼女に答えばかり求めた。今となっては、彼女が何を感じ、何に悲しみ、何を喜んでいたのか検討もつかない。

彼女の心の痛みに触れる事など出来るはずもなかった。

いつの間にか彼女は居なくなった。

友達以上、親友だと思ってたのに、メールの返事が来なくなって会えない存在になった。裏切られた。ひどい人なんだって思った。

きっとそう思わなきゃ、巡り来る日々を生きてゆけなかったから。

会えなくなって、彼女の事を思い出さなくなった頃、偶然駅前で彼女をみかけた。彼女はバス停でバスを待ってた。その列に私も並ぼうと彼女の横を通った。

彼女は気づいていなかった。あまりの衝撃に話しかけれなかった。拒否されそうで怖かったんだ。

彼女の髪は腰まで伸びて、美人な顔はさらに磨きがかけられ、すごく素敵な女性になっていた。憧れる程好きだった彼女。きれいになったその姿に劣等感さえ感じた。


行き先の違うバスに彼女は乗って、次のバスを待つ私。

バスの窓際に座った彼女。バスの中からバス停に並ぶ私を彼女が見つけた気がした。彼女も同じく躊躇してるのを感じた。

何度も彼女を見たけれど、その目は違う方へと向けられていた。

しばらく会わないうちに壁が出来てしまう。「久しぶり~!」って声をかけられる程、私は楽観的ではないし、再開を彼女が喜ぶと確信は持てなかった。


つづく。
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