Aug9
短編小説~DO YOU WANNA DANCE?~4
2008年8月09日 カオスマンの今夜も脇道放談40
「豚ひき肉...200グラムザーサイ...カップ1/4長ネギ...1/2本にんにく...大さじ1/2(みじん切り)ショウガ...大さじ1/2(みじん切り)ごま油...大さじ1がらスープの素...小さじ1水...カップ5すりゴマ...カップ1/4しょうゆ...大さじ3ジャーマージャン...大さじ1水溶き片栗粉...大さじ1中華そば...2玉ラー油...少々」


「う~ん・・・・。」


西岡は厨房でどこから見つけてきたのか埃だらけの料理本を眺めてうなっていた。


「めんどくせえなタンタン麺って・・・。」

「あんたがやるって言ったんでしょ」

いつの間にか上原は厨房に戻ってきていた。

顎は切れたまんまだ。

「いざとなったら看板ぶっ壊したこととお前を殴った事でサツに突き出しちまえばいいか」

西岡のテンションはすっかり下がってしまっていた。

それでも彼は料理本から買い物が必要な材料をメモして上原に渡した。

「ここに書いた奴買ってきて。駄賃で飲み物1本位買っていいから。あのアホは俺がなんとかする」

「はい。俺が残ってたらあのアホ半殺しにしそうだから行って来ます」

「お前ってそんなに血の気の多い奴だったっけ」

数十分前とは明らかに性格が変わった上原。


彼は買い物に出て行った。


「わりーな。手間かけさせちまって」
泥酔酩酊リーマンは言った。

こいつ普段絶対温厚なタイプだな。
西岡は思った。

「俺さー、サラリーマンやる前バンドやってたのよ・・・」

うわーなんだこのお決まりのドラマみてーな独白・・・。でもこれで時間が稼げる。

西岡は思った。

「そうなんすか・・。まあ、色々ありますよね」

西岡もそのお決まりのドラマのようなやり取りに乗っかった。

「DO YOU WANNA DANCE~♪ とりあえず踊っとけ~!DO YOU WANNA DANCE~♪ 全てを忘れて~え!!」

リーマンはいきなり歌い出した。

だ、だせえ・・・・。

西岡は笑いをこらえながらも聞いた。

「バンドの曲ですか?」

「ああ、DO YOU WANNA DANCEって俺がバンドの曲で一番好きだった曲だよ」

こりゃ売れねえわ。音楽の心得の無い西岡でさえそう思った。
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